
4月からスタートする実務者研修の刷新を図るため、医療的ケアの通信添削課題を見直してみました。不必要な問題を削って全体の問題数を少なくし、さらに参照ページを付けることが目的です。生徒さんの余計な負担を少しでも取り除くことができればと思い、新しいテキスト(第4版)と照らし合わせながら、1問目から実際に解いてみました。まず、全てにフリガナが振ってあって読みにくい(笑)。外国人にとっては便利になった改善ですが、日本人にとっては目がチカチカしてしまいます。片方が得をすればもう片方が失うのではなく、本来はフリガナが振ってあるテキストとそうではないものを選択できるのがベストなんですけどね。
それから、細かい言い回しや言葉が変わっていて問題が解きにくい。版が変わるごとに全ての問題を解き直すのはさすがに大変なので、どこがどう変わったのか、出版社はせめて変更表を学校には渡すべきですね。テキストを読んでも正確には答えられないような問題もあり、今さらこんなことを言うのは恥ずかしい話ですが、これで満点近くを取っていた生徒さんは凄いなと思いました。特に外国人の生徒さんにとって、この医療的ケアの課題は修行のようなものだったはずです。これまで卒業された外国の方々に電話をかけて(今さらですが)「大変だったね。頑張ったね」と褒めてあげたいぐらいです。
実務者研修が2016年にスタートしてから、はや9年が経ちました。医療的ケアの課題はおよそ10年前につくったものを、ほぼそのまま使ってきました。内容的に大きな変更がないと考えていたのですが、改めて見直してみると、アップデートできていなかった箇所がいくつも見つかったということです。やはり10年近くも経つと、変わっていないように見えても、少しずつ大きく変わっていたということです。今回のようなきっかけがなければ、気づかなかったかもしれません…。
これは医療的ケアの課題だけではなく、全てにおいて当てはまる問題だと思います。たとえば、介護者の身だしなみのプリントを初任者でも実務者研修でも渡していますが、ケアカレが開校した当初からほとんど同じものを使っています。10年以上も経つと、介護者の身だしなみの基準って変わっていないものでしょうか?ヘルパー2級時代は、茶髪の人は実習に行く際に黒髪に染め直してもらったりしていましたが、今はピンク色の髪の毛の女の子が、高齢者からも「綺麗ねえ~」なんて言われるぐらい時代は変わってきています。
スポーツでいうと、野球のユニフォームの着方も僕が野球をやっていた頃とは大きく変わりました。僕の時代はストッキングを見せて履かなければダメとされていました。滑り込みをしたときにストッキングが足を守ってくれるという理由や、ズボンを伸ばすとだらしないという理由でした。ストッキングを履いていると、足がしめつけられて苦しいこともあり、監督や先輩がいないところではストッキングを脱いで、ズボンを下げて練習していたりしました。
それがいつの間にか、プロ野球選手でさえもズボンを下げて、ストッキングを隠すようになりました。こちらの方が足にとってもより安全であり、逆にスタイルが良く見えるからです。だらしないと言うのはあくまでもその時代の指導者たちの主観だったということです。受け取り手の感覚が変わってくると、だらしないはカッコいいに変わったのです。ちなみに、その当時、教えてもらっていた打ち方や理論は、半分ぐらい間違っていたことがのちに分かりました。
身だしなみは単なる例にすぎませんが、授業で教えている内容や資料、言葉づかい、教え方、介護に対する考え方など、私たちはひとつ一つを見直してみるべきタイミングなのだと思います。開校から12年が経った2025年、時代遅れにならないよう、アップデートしていく必要があるのです。