ケアカレらしさ

12月から通信添削がスタートした実務者研修のクラスが、先月末で無事に修了しました。外国人の方も含めて、30名近い生徒さんたちが集まり、共に学びました。初日から最終日の授業に至るまで、少しずつ盛り上がり、最後の医療的ケアの授業はとても良い雰囲気で迎えることができました。看護師の村井先生も、「これぐらい人数がいると盛り上がりますね。昔のケアカレの雰囲気を思い出します。これぐらいがケアカレらしくて良いですね」とおっしゃってくださいました。かつては介護職員初任者研修も実務者研修も36名近い人数で授業をしていましたので、その頃の熱気が少し蘇ってきたようでした。最終日には、メッセージ入りの色紙までいただきました。ちなみに、左に置いてあるサボテンは生徒さんの手作りです!ありがとうございます。

 

ここ数年は、介護職員初任者研修はもちろん、実務者研修もクラスによっては十数名の生徒さんしかいませんでした。特に医療的ケアの授業は、ペアになって声を掛け合いながら進みますので、それぞれが大きな声を出す方がクラス全体としては盛り上がるのです。しかし、人数が少ないとどうしてもシーンと静かになってしまい、余計に声が出しにくい雰囲気になってしまいます。落ち着いた雰囲気のバーだと静かに話すのに対し、賑やかな居酒屋だと声の大きさなど気にすることなく話せるのに近いですね(笑)。人数が多いとその分クラスの雰囲気が賑やかになって、周りに遠慮することなく話せて、最終的にはそれが熱気に変わっていくということです。

 

ケアカレらしさを懐かしみながらも、もうあの頃は帰ってこないのだなと寂しく思う気持ちもあります。実務者研修はともかくとして、介護職員初任者研修に36名も生徒さんが集まっていた時代は終わったのだと思います。悲観的になっているわけではなく、それは抗いがたい時代の変化や流れなのです。同じ人間でも日々変わっていくように、動的平衡というか、万物は絶えず変化しながらもバランスが保たれているのです。行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず、という鴨長明のあれです。卒業生さんのひとりが、「他の学校も見学に行きましたが、湘南ケアカレッジは全然違いました。ケアカレは生き残っていくと思います」と言って励ましてくださったので、時代の波に身を任せながらも頑張るしかありませんね。

 

 

これから大きく転換を図るとすれば、人材紹介を中心とした学校へと舵を切るしか手はありません。人材紹介は大きなお金が動く業界ですから、それに比べると教育など市場価値はほとんどないのです。だからこそ無料にして生徒を集めて、人材紹介で利益を出す事業モデルの学校、いや人材会社が大本の学校がほとんどなのです。今の時代においてどちらが価値があるかという話であって、どちらが良い悪いという問題ではありません。ただ、教育にずっとたずさわってきた人間からすると、実務的にも心情的にも倫理的にもシフトチェンジが難しいのです。このまま細々と生き残っていくのか、それとも大きく変わるべきなのか、今年は決断の1年になりそうです。いずれにしても、ケアカレらしさを失わないようにしなければいけませんね。

生徒さんのひとりからハンカチをいただきました。ケアカレカラーのオレンジが入っていて、さすがですね。ありがとうございます!