先日、卒業生さんがDVDを取りに来てくれて、ケアカレの社食であるネパール料理を一緒に食べに行きました。彼女は昨年の3月の卒業生さんで、その後、訪問介護等を経験し、今は町田市の人材センターで一般市民向けの研修部門を担当しているそうです。数年前から、町田市が開催している「介護の入門研修」のひとコマを、佐々木先生が教えさせていただいていたのですが、その研修部門をケアカレの卒業生さんが担当することになるとは思いも寄りませんでした。不思議な縁を感じると共に、介護の世界は狭いなあと思いました。湘南ケアカレッジが開校して今年で12年目になり、数多くの卒業生さんたちが介護の世界を様々な形で支えてくれていると思うと、何か見えない力に守られているような気がします。
「ケアカレで印象に残ったことはたくさんありますが、その中でも小野寺先生が言っていた『常にベストな選択をする』は今でも心に残っています」と彼女は話してくれました。そういえば、寄せ書きの色紙にもそう書いてあったなと思い出しました。どのような文脈で小野寺先生が「常にベストな選択をする」と言ったのか分かりませんが、常にどの選択肢が今の状況においてベストなのか考え、妥協することなく選択するということだと私は解釈します。たとえそれが間違っていたとしても、そのとき自分がベストだと思った選択をすることは大切ですね。彼女は運営や企画力を伸ばしたくて町田市の人材センターに入ったと言いますが、その選択がベストだったと信じて、目の前の仕事に取り組んでもらいたいと思います。
そういえば、彼女と会った前日、近くのスーパーに買い物に行った際、卒業生さんとバッタリ会って声をかけてもらいました。「おかげさまで、介護福祉士に合格しました」と嬉しそうに話す彼は今年73歳になったそうです。「今までのケアカレの歴史の中で最高齢での介護福祉士合格ですよ」と伝えると、何をどれぐらい勉強したかを誇らしげに話してくれました。「絶対出るという問題集をやりましたが、1問も出ませんでしたよ」というので笑ってしまいましたが、介護福祉士の試験はそういうものです。過去問をやっても同じ問題は二度と出ず、形を変えて同じような問題が出るものです。学びに近道はありません。その卒業生さんはたくさん勉強したからこそ、どんな問題が出てもその場でベストな選択ができたのだと思います。
卒業生さんたちとの関わりは貴重です。生徒さんたちが湘南ケアカレッジにいる期間は、短ければ1か月、長くても4カ月ぐらいですから、その後、彼ら彼女たちがどのような道を歩んでいるのか分かりません。それが久しぶりに話ができることで、点と点がつながって線になります。そして、卒業生さんがおっしゃってくれるのは、「あのときケアカレで学べて良かった。あの時間あるから今がある」ということです。お世辞半分かもしれませんが、私たちは卒業生さんたちの人生に影響を与える大きな点となっていることを誇りに思います。