「おはよう21」にて、小野寺先生の連載が始まりました。内容はボディメカニクスを使った介護技術です。3回に分けての連載となりますが、今回はボディメカニクスの8つの原則について説明しています。イラストや写真付きでとても分かりやすく、シンプルに書かれていますので、ぜひ手に取って読んでみてください。「おはよう21」を定期購読している各施設や事業所等は多いので職場に置いてあるかもしれませんし、また大きな書店であれば介護のコーナーに置いてあるはずです。10月から12月にかけて動画コンテンツも配信されるようで楽しみですね。
湘南ケアカレッジで介護職員初任者研修がスタートした10年以上前から、小野寺先生といえばボディメカニクス、ボディメカニクスといえば小野寺先生ということでやってきました。もちろん、他の先生方も授業の中でボディメカニクスを教えてくださって、介護職員初任者研修全体を通して生徒さんたちにはその大切さが伝わっているはずです。それでもやはり小野寺先生といえばボディメカニクスを思い出す卒業生さんが多いはずです。それぐらい長い年月をかけて、情熱を込めて、ボディメカニクスを定着させてきたのです。
実務者研修に来てくれる他校の卒業生さんたちが言うのは、介護職員初任者研修でボディメカニクスという言葉は聞いて習ったけど、あまり印象に残っていないということです。カリキュラムの中で示されていますので、ボディメカニクスについて教えてくれてはいるはずですが、生徒さんたちには伝わっていないのです。それはなぜかというと、いくつか理由が考えられます。ひとつは説明だけで終わっていて、体験として身体で学んでいないということ。もうひとつは、1回教えて終わりになってしまっていて、繰り返し教えていないこと。さらには、上手くできたという成功体験がないので心に響いていないこと、などでしょうか。ケアカレではしつこいぐらいにボディメカニクスの大切さを説き、何度も繰り返しボディメカニクスを使えるところまで練習しますので、頭だけではなく身体で覚えているのです。
余談ですが、ボディメカニクスの大切さは学んでくれていても、言葉はあいまいに覚えている生徒さんもいます。ボディメカニズムやボディメカニックはなどなど、微妙に間違って覚えている人がいるのでご注意ください。私たちが研修の中で、ボディメカと略してしまうからでしょうね。ボディメカという言葉が独り歩きして、正式名称が分からなくなってしまっているようです(笑)。
湘南ケアカレッジではボディメカニクス講座(3級と2級)をほぼ毎月開催していますが、先々の日程も埋まってしまうほどの人気講座となっています。介護現場で働いている人たちにとって、利用者さんの移動や移乗が喫緊の課題となっていて、働く人たちにとっては大きな悩みになっているということですね。ボディメカニクスの考え方や技術を身に付けることができれば、このような状況においてはどのように移動・移乗すると変に力を使わず、安全で安楽かと自分で考えられるようになるはずです。来年はいよいよボディメカニクス講座1級をつくって、ボディメカニクスを教えられる人を養成していきたいと思います。そうすることで、ボディメカニクスが介護の現場に根付いて、ひとりでも多くの現場の職員の方々が安心して介護ができる世界をつくっていきたいと願っています。