介護職員初任者研修の生徒さんが、最終日にアロマ(ルームフレグランス)をプレゼントしてくれました。彼女は香りに興味を持っていて、自分でアロマを調合してつくっているそうです。ケアカレの初任者研修を受けて、「介護に対する意識の変化」、「楽しさ」、「自信」など、感じたことを香りに落とし込んでみましたとのこと。私にとっての香りは、良い香りと悪い匂いぐらいしか区別がありませんが、ひとつ一つの香りに意味やメッセージがあることを教えてもらいました。さすがに教室は広すぎて生き届きませんので、ちょうど良い大きさの事務所のルームフレグランスとして使わせてもらっています。ありがとうございます。
彼女が調合してくれたアロマには、ブレンドノートが添えられていました。ブレンドした精油やフラワーエッセンス、その隣には効能とメッセージが記されています。このブルーの瓶の中に、レモン(意識を変える)、オレンジスイート(人生の岐路、楽しさ、心を温める)、ローレル(知識や技術に基づく自信)、ブラックスプルース(次のステージに進むためのエネルギーチャージ)、ユーカリ・ラディアタ(視野を広くする)、ラビンツァラ(人と関わり大きく成長する)、シダー(周りに影響されすぎず、自分の軸を強化する)といった意味が込められていることに驚きます。それぞれの香りを感じながら、彼女からのメッセージに想いを馳せてみると、たしかにそう思えてくるから不思議ですね。
私の好きな香りをあえて挙げるとすれば、白檀(サンダルウッド)です。たまにお香として焚いたりしてみると、帰ってきた妻からは「お寺に来たみたい」と言われます。そう、私の父方の祖父はお寺をやっていましたし、小さい頃から田舎に帰るとお線香をあげていましたので、白檀(サンダルウッド)の香りとなじみが深いのでしょう。効能やメッセージを調べてみると、精神面へ穏やかに作用し、不安感や緊張を和らげて心をリラックスさせる効果があるとされています。死を通して生きることをみつめる、というテーマがあるなんて書かれているサイトもありました。そこまで大げさではないと思いますが、たしかにリラックス効果を求めているときにお香を焚いている気がします。
こうして香りについて思いを馳せていると、そういえば香りは記憶と深くつながっていると感じられます。女性の香水であったり、雨上がりの雨の香りであったり、旅先で早起きしたときの木々の香りといった、良い思い出と結びついているものもあれば、下水の匂いであったり、昔、足に鉄アレイを落としたときに感じた鉄の匂いなど、嫌な思い出とつながっているものもあります。たとえば同じ香りであったとしても、私は競馬が好きなので厩舎の馬糞の匂いがすると安心感を抱きますが、単に臭いと感じる人もいるでしょう。香りは私たちの人生を彩っているのですね。