5月短期クラスが修了しました。20名足らずと人数こそ少なかったものの、あらゆる年齢層の方々が集まり、とてもオープンマインドな明るいクラスでした。何と言っても、マスクを外す生徒さんたちが多く(特に女性から)、久しぶりに笑顔にあふれる素敵な雰囲気で授業が行われました。屋外、屋内問わず、マスクの着用は個人の判断という政府からの号令が発せられたことや5類に下げられたことの影響もあるのかもしれませんが、少しずつ当たり前の日常が戻ってきている気がします。それ以前からずっと、当校ではマスクの着脱は自由です。外したい人は外しても結構ですし、着けたい人は着けても問題ありません。あくまでも生徒さん個人の判断にお任せしています。それは先生方も同じです。
実は、5月のクラスにはマスクを着けられない生徒さんがいました。4月から申し込んでいた他の学校では、教室にさえ入れてもらえず、当校に来ることになりました。正直に言うと、ケアカレではマスクは自由であったにもかかわらず、ほとんど全ての生徒さんたちはマスクを着用されていたので、その生徒さんが浮いてしまうのではないかと心配していました。これまでは感染対策のためだけではなく、周りの目があるからマスクを外せないという問題もあったはずです。自分ひとりだけって怖いですもんね。いくらマスクの着脱は自由とはいえ、マスクを着けられない生徒さんが窮屈な思いをしないか不安があったのです。
ところが、5月短期クラスがスタートすると、誰がそのマスクを着けられない生徒さんか分からないぐらい、幾人かの生徒さんたちが素顔で教室に来てくれたのです(笑)。ひとりだけなのか、何人かいるのかでは全く状況が違います。私は胸をなでおろしました。さらに素晴らしいなと思ったのは、その様子を見た何人かの生徒さんたちもマスクを外すようになって、最終的には半分ぐらいの生徒さんたちが素顔で授業に参加してくれたことです。
自由や個人の判断に任せるということは、こういうことですね。同調圧力のようなものが働いているとどちらかに偏ってしまうのですが、個人が判断した結果が半々になるぐらいが選択の自由ということです。まあ、この先、暑さが増していきますので、暑いのにセーターを着たり、雨が降っていないのに傘を差したりしないように、マスクを外して生活する人たちがほとんどになるのが普通だとは思いますが、果たして。
介護の仕事にたずさわっている以上、マスクは自由ではないという意見もあるかもしれません。カンセンショウタイサクやマスクの効果についてここで論じることはしませんが、それではいつまで介護職員はマスクをし続けなければならないのでしょうか。ウイルスは決してなくなりませんし、私たちの体の中にも外にも常に存在します。今回のきっかけを逃してしまうと、介護の仕事にたずさわる人たちは、どこでも、いつでも、一生マスクになりかねません。そのような仕事に就きたいと思う人が増えるとは、私には思えないのです。そして、利用者さんたちは、今のような生活を望んでいるのでしょうか。もし私が将来、利用者として施設に入るようになったとして、マスクに囲まれて生活するのは嫌ですね。私たちは何か大切なものを失ってしまっているのではないでしょうか。せめて健康な人たちが集まって生活している中では普通に過ごしませんか。