先生になりたい

昨年度の初任者研修は10数名から20名ぐらいのクラスが多かったです。ケアカレはもともと36名設定の教室で開校し、満席で授業をしていましたので、あの頃の熱気と比べると寂しい感じもありますが、人数が少ないことにも良い点もあると最近は思うようになりました。人数が限定されていることで、それぞれの生徒さん同士のつながりが強くなるということです。実技を一緒にすることも互いに増えますし、グループワークで話す機会もそれぞれに多くなります。人数が少なすぎても、多くの人たちとかかわるチャンスが少なくなるという意味で良くありませんが、ある程度の人数(10名以上)であれば、お互いがより密接に関係性を築けることにつながるのではないでしょうか。

 

嬉しいことがひとつありました。授業が終わって、その日、花粉症らしき症状で鼻が詰まって仕方なく、いきつけの耳鼻科に直行し、混んでいたので外で待っていたところ、ちょうど帰りがけの生徒さんにばったり会いました。第一声、「ケアカレに来てほんとうに良かったです」、そして「私、いつかケアカレの先生になりたいと思いました」と言ってくれて、嬉しく思いました。彼女はこれから訪問介護の仕事に入るので、いろいろな経験を積んで、介護福祉士を取って、ケアカレに戻ってきて先生になってもらいたいと伝えました。

 

私の記憶にある限りですと、こうして先生になりたいと言ってくれたのは彼女で3人目です。そのうちの一人は、今、「介護仕事百景」をとおして卒業生さんたちと介護の現場の橋渡しをしてくれている影山さんです。今、影山さんに「先生にはならないの?」と聞くと、先生方の凄さと大変さを見て知っているからか、首を横に振られてしまいますが、当時はそういう気持ちを抱いてくれたのです。介護をするための研修を受けにきて、先生になりたいと思う感性は素晴らしいですし、視野が広いと思います。

 

 

そして、何よりも嬉しいのは、生徒さんが「先生になりたい!」と思ってもらえるということは、先生方がそれだけ輝いていたということです。授業を聞いたり、直接話してみて、憧れというか、尊敬を抱けるような存在であったということです。そうでなければ、自分も同じようになりたいとは思わないはずです。湘南ケアカレッジが開校して10年目となり、先生方も10年教えてくださり、その10年目に「先生になりたい!」と言ってもらえたことは嬉しい限りです。それは10年経っても先生方が輝きを失うことなく、なおも輝き続けていることの他者評価であり、最高の褒め言葉なのですから。