10月のケアカレナイト「明日からレクリエーションが楽しくなる!」が終わりました。ケアカレナイトとしては、小野寺先生は初登場ということになりました。もともとは卒業生さんが遊びに来たときに、「ケアカレナイトでレクをやってくださいよ。今、レクの担当になると憂鬱で仕方ないのです。うちの利用者さんたちは介護度にバラつきがあって、皆が参加できるレクってないのですよね…」と提案してくれたのがきっかけです。小野寺先生は現在、デイサービスでも働いていますし、またレクの勉強もされていることもあり、満を持しての講座となりました。案の定、「もっと長く受けていたかった(時間が足りないぐらいに感じた)」、「明日から試してみようと思う」など、参加者の方々は皆、レクリエーションに対して前向きになり、笑顔になって帰っていかれました。
「レクリエーションはゲームではない」と皆さんのレクに対するイメージを覆すところから、講座はスタートしました。レクというと、どうしても勝ち負けを競えるようなゲームを行うことだと思い込んでしまう方が多いかもしれません。レク=ゲームだと考えると、レクリエーションの幅は狭くなってしまい、利用者さんの介護度によってできること・できないことが大きく分かれるため、公平なくなったり、つまらなくなってしまい、介護者は頭を悩ませることになります。そうではなくて、もっと広い意味でレクリエーションを捉えてみても良いのでは、と小野寺先生は提案するのです。たとえば、全介助の利用者さんであっても、レクの場に来て、見て、一緒にいるだけで楽しんでいるのであれば、それで良いのです。
今回の講座では、5人ずつ5つのグループになってもらい、5つのレクリエーションを体験してもらいました。1人が1回ずつ、リーダー(自分がレクを提供する側)の役割を担ってもらうためです。ということは、4回は自分が利用者としてレクに参加する体験もできるということです。そのとき自分は何を感じて、リーダーまたは利用者役である相手に対してどう考えたのかをフィードバックしてもらいます。そうすると、今までは見えていなかったレクを運営するポイントが見えてくるのです。
その他、レクリエーションのネタとしても、利用者さんの昔のことを聞き出すカルタやポチ袋にお金を入れて渡して、そのお金で何を買いますかと話をふくらませるレクなど、ただ楽しいだけではなく、その方の人間性や歴史が見えてくるような奥深さがあると思いました。
最後の小野寺先生の話は忘れられません。小野寺先生がかつて働いていた施設で利用者さんが亡くなったとき、その方の遺影として、レクリエーションで小野寺先生と一緒に笑っている写真を使ってもらったそうです。小野寺先生はそれがとても嬉しかったし、普段はほとんど見せない表情をレクリエーションでは見せることがあることを知りました。レクリエーションは、その方の人生の最後の時間で笑顔をつくる機会でもあるということです。その話を聞いて、今回のケアカレナイトに参加してくださった方々は、利用者さんの笑顔が見たいと心から思ってくれたのではないでしょうか。