5月からスタートした実務者研修の火曜日クラスが修了しました。やはり毎週通うクラスですと、あっという間に終わってしまいますね。実務者研修はたった7日間なので、どうしても初任者研修(15日間)ほどの一体感が生まれる前に終わってしまう印象があります。しかし今回のクラスは、卒業生さんたちが引っ張ってくれたこともあり、最後は打ち上げを開催するほどの盛り上がりを見せていました。最終日の医療的ケアの授業でも、お互いを褒め・認め合うフィードフォワードが皆できていて、とても良い雰囲気でした。それだけではなく、「演習のポイントはしっかりとできていて、クラス全体として、授業を集中して聞いているのが伝わってきた」と藤田先生もおっしゃっていました。このような素晴らしいクラスと出会うと、学校をやっていて良かったと素直に思えます。
最終日のリアクションペーパーに、「グローバルなクラスでした」と書いてくれた生徒さんがいました。今回のクラスには3名の中国人の生徒さんたちがいて、それぞれが別の施設からたまたま集まったのです。介護職員初任者研修も実務者研修も、ひとクラスに1名ぐらいは外国人の方がいるのは当たり前の風景ですが、3名も別々に集まったのは珍しいですね。そのコメントを読んでふと思ったのは、そういえば外国人が多いクラスは不思議とまとまりが生まれるということです。一昨年に最も盛り上がった実務者研修のクラスにも、フィリピンの方が2名いました。
なぜだろうと考えてみると、彼ら彼女らがフレンドリーであることも確かですが、それ以上に彼ら彼女らをきっかけとして、お互いの違いを認め合って、助け合う雰囲気が自然と生まれるからではないでしょうか。周りを見て、困っていたらサポートしてあげようという気持ちがクラス全体に広がり、コミュニケーションが生まれ、日本人同士の間にも浸透していくからです。外国人である彼ら彼女らは、潤滑油としての役割を果たしているのです。おそらくこれは介護の現場でも同じですし、これからさらに外国人を受け入れていかなければならない日本の社会の未来にも当てはまることでしょう。本来の人間の社会は、そのようにして成熟していくのではないかと思うのです。
最終日の休み時間、当然のことながら仲良くなった中国人の3名が、中国語で話をしながら階段を上がってきました。私は2年ほど前から中国語を勉強していますが、彼ら彼女らの日常会話はスピードが速すぎて、何を話しているのか全く分かりませんでした。母国語を流ちょうに話している姿を見て(聞いて)、私は単純にすごいなと尊敬の念を抱きました。一方の視点で見ると、彼ら彼女らは、日本人ほどには日本語を上手に話せない中国人ですが、一方では母国語である中国語はもちろんのこと、第二外国語である日本語もきっちりと話せるバイリンガルなのです。これからの介護の現場も日本の社会も、外国人を受け入れるという発想ではなく、互いの違いを認め合って、助け合う気持ちの先にある、相手をさらに良く知って、尊敬し合うという領域までたどり着けるといいですね。