介護・福祉に携わる者としてこういう問いには、「そうじゃないよ。記憶を失っても、その人らしさはなくならないよ」と、答えをもってきました。けれどもお恥ずかしい話、その理由を理論的に説明することはできず、どこかポジショントーク的な宙に浮いた答えだったと思います。介護の現場で働く中で、認知症の方の不可解な言動や行動に驚き、迷い苦労することもありましたが、それはほんの一端にすぎず、落ち込んだ時にもらったふとした優しい言葉に慰められたり、ご家族との思い出を幸せそうに語る姿にふれることで「失うことばかりではなく、できることもある」と感覚的に判断していました。
続きは→【介護仕事百景】にて