ひとり一人がマーケッター

あっと驚くような入り口から、湘南ケアカレッジに来てくれる生徒さんがいます。友人知人や親子、一緒に働いている同僚や近所に住んでいる知り合いに評判を聞いて、といったつながりはもう当然のようになっていますが、そうではない形でケアカレのことを知り、介護職員初任者研修または実務者研修を受けに来てくれる生徒さんもいるのです。先月スタートした8月日曜日クラスのYさんは、まさかのルートを通って来てくれた生徒さんのひとりです。他己紹介を聞いた影山さんが興奮気味に教えてくれて、それを聞いた私もそんなこともあるのだと驚いたほどでした。

かつて教室のピータイルが剥がれてしまい、張り替えを業者さんに依頼したことがありました。最初に私が当たったひとつの業者さんは料金が高すぎて、値引き交渉にも応じてくれず、仕方なく影山さんに別の業者さんを探してもらうことにしました。そこで他の業者さんを探し当ててくれ、確認してみたところ、比較的安い料金でタイルの張り替えをしてくれるとのこと。早速、教室の空いている日にお願いすることになりました。

 

当日、感じの良い男性2人が来て、半日ぐらいかけて丁寧に作業してくれました。(かなり複雑な張り替え作業だったので)予定していた時間よりも大幅に延長してしまったようですが、嫌な顔ひとつせず、「遅くなってしまい申し訳ありません」と言いながらも、最後まで手を抜くことなく完成させて帰って行かれた姿は、今でもはっきりと覚えています。また何かあったらぜひお願いしたいなと思わせる、仕事ぶりと気持ちの良い対応でした。

 

実はそのうちの一人が、介護職員初任者研修の日曜日クラスに参加してくれたのです!普通に申し込みをされたので全く気付かず、スクーリングが始まってからも、どこかで見た顔だなと思っていたぐらいで、(どこかで会った気がするのは日常茶飯事なので)あまり気に留めていませんでした。ところが、他己紹介で彼の番になったとき、「昔、この教室の床の張り替えをしたことがあるそうです。久しぶりに教室に来てみて、まだ剥がれていなかったので安心したそうです」と紹介され、彼の全容が解明されたのでした。あのスタッフが、お客様に高齢の方々も増えてきているので学んでおきたいと考え、床を張り替えたケアカレのことを思い出してくれたのです。

 

この話を聞いて、「ひとり一人がマーケッター」という言葉を思い出してしまいました。お客様を集めるために広告や広報を担当している人だけがマーケッター(マーケティングをする人)ではなく、その事業にたずさわっている人全員がマーケッターだという意味です。つまり、私たちひとり一人の言動が、教室の中にいるときだけではなく、日常生活のあらゆる場面においても、湘南ケアカレッジを広告・宣伝しているのです。今回の件でいうと、もし私たちが単なる業者としてぶっきらぼうな対応をしていたり、ぞんざいに扱っていたとしたら、彼はそんな学校に行こうとは思わなかったはずです。何か雰囲気が良さそうだな、もしくはこんな学校に行ってみたいと思ってくれたからこそ、彼は来てくれたのだと思うのです。

 

そういえば、卒業生の長谷川さんが娘さんと歩いていて、小田急デパートのエレベーターのところで佐々木先生とばったり会った話を思い出します。佐々木先生はひと言ふた言、挨拶をしてくださったのですが、別れたあと、長谷川さんの娘さんが「あんな素敵な人が教えているんだ。介護の先生の印象が変わった」と言ってくれたそうです。

 

 

別に先生方にプレッシャーをかけているつもりはありませんし、誰にでも優しく品行方正にしましょうと言っているのでもありません(笑)。そうではなくて、湘南ケアカレッジにたくさんの生徒さんたちがこうして集まってくれるのは、先生方の普段の言動や生き方が美しく、そういうことが回り回ってやってくるからではないかと思います。私も湘南ケアカレッジのマーケッターの一人として、関わる人たちに良い影響を与えられる存在でありたいと願います。

Yさんが冷暖房のスイッチが宙に浮いていたのを見て、壁に固定してくれました!(感謝の言葉しかありません!)