教育はエンターテイメントへ

湘南ケアカレッジの実務者研修は体験型の授業になっています。せっかく教室まで足を運んでもらって、クラスメイトたちと一緒に授業を受けてもらうのですから、ただ先生の話を聞いて、ケアプランだけをつくって1日が終わりにはしたくありません。それだけならば、正直に言って、通信添削課題として自宅で取り組んでもらえれば十分かもしれません。スクーリングにおいては、自分ひとりではできない体験やグループワークや実技の演習にこそ、重きを置くべきだと考えています。身体を使って学んでもらい、5感をフル活用して感じてもらう、そのような授業にしたいものです。

 

実務者研修の第3回、第4回目に行われた望月先生の授業には、そんな体験型の授業が凝縮されています。食事の授業でも、排泄の授業でも、とにかくあらゆることを体験してもらい、感じてもらう工夫がなされています。たとえば、排泄の授業が開始されるや、いきなりフラットのおむつに500mlの水を注ぎ、それを腕に巻きます。これがどういう体験になるのかはネタバレになるので言えませんが、介護の仕事をしている人が自分では絶対に体験をすることがない体験ができると思います。授業のプランを考えているときに、望月先生から「攻めていいですか?」と聞かれたので、「どうぞ攻めてください」と即答しました。その結果がここに現れています(笑)。

 

食事の授業においても、お菓子や飲み物などを使っていろいろな体験をしていただくため、学校としては物品の準備が大変だったり、多少のお金も掛かったりします。先生が講義だけをして、ケアプランを作って終わりの授業にすれば、先生は1人で良いですし、お金もかかりません。にもかかわらず、実務者研修を体験型の授業にして、実技の演習に重きを置いているのは、体験を提供したり身体を使って学んでもらうことにこそ、学校としての存在意義があると考えているからです。生徒さんたちに体験してもらうことにこそ、私たちのパワーもお金もかけるべきなのです。

 

 

学校とは体験型のテーマパークのようなもの。昔の学校は知識や情報を一方的に教えてもらう(押しつけられる)場所でしたが、知識や情報が本やインターネット経由で簡単に手に入るようになった今は、どのような体験を提供できるかが学校の最も重要な役割や価値になってきます。ディズニーランドやUSJに遊びに行くことで味わえる体験と同じように、学校に来ることでそれまでは味わうことのできなかった体験をすることが、「湘南ケアカレッジに来て良かった」という生徒さんたちの満足につながるのだと思います。しかもディズニーランドやUSJのような消費型の体験とは違って、湘南ケアカレッジの介護職員初任者研修や実務者研修はそこから何かを学び取り、生かすことができるという蓄積型の体験になります。大げさかもしれませんが、これからは学校や教育こそが最上のエンターテイメントになると私は考えていますし、湘南ケアカレッジがその代表であり筆頭になることを願っています。