ポジティブに考える

11月2日に第2回全身性障害者ガイドヘルパー養成研修が開催されました。あいにくの雨模様、特に午前中は土砂降りでしたが、お仕事を休まれて来て下さっている方もいますので休講にするわけにもいかず、さすがにガイドヘルパーの研修を教室内だけで終わらせるわけにもいきませんので、予定どおり、雨天決行の屋外での研修をすることにしました。皆さん、雨がっぱを着ながらも頑張ってくれて、午後からは晴れ間が見えることも。終わってみれば、受けにきて良かったと感じてもらえたのではないかと思います。そして、時間が経てば経つほどに、「そういえば、あのとき雨が降って大変だったけど、勉強になったよね」と思い出に残る研修になるはずです。


こういう一見悪いと思われる状況になったときにこそ、私たちがどう振る舞うのか、どう考えるのかが問われます。しかも天候という私たちの努力次第ではどうにもしようがないものに直面してしまった場合、運が悪かった、最悪の状況だと考えるか、それともどうすれば少しでも良い状況をつくり出せるのか、この状況だからこそ学べることが多いはずと考えるのかによって、私たちの世界は大きく変わってきます。そうは言っても、悪い方にも考えてしまうのは人間の常ですが、それを踏まえた上で、ひと呼吸置いて、ポジティブに考えるように自分をコントロールしていくことが大切です。最初は難しくても、そういう風に考えるクセをつけるように心がけるといいですね。

 

特に、私たちのように、他者を支援する仕事をする人々は、ポジティブなマインドを常に持っているべきだと思います。もちろん、何ごとにおいても、できない理由ばかりを挙げる人や脊髄反射的にできないと思い込んでしまう人がいることは知っていますし、そういう考え方を否定するつもりもありません。むしろ、そういう視点でものを言う人もいても良いと思います。でも、私たち支援者(サポートをする人)に限っては、できないではなく、どうすればできるのか考えてみようという視点でいるべきなのです。当事者はどうしてもネガティブに考えてしまいがちであり、私たちまで同じようにできないと考えてしまうと、世の中は真っ暗になってしまいますから。

 

そもそも、できそうにないことを、どうすればできるようになるのかを考えることが人生なのではないでしょうか。もしそうでないとしたら、私たちはひたすら運命のようなものに翻弄されて生きていかざるを得ないことになります。そうならないために、私たちは日々ポジティブに考える習慣をつけていかなければなりませんし、それらが積み重なって、良い人生になるのではないかと思います。それはつまり、最終的にはすべて自分の責任だと考えて、引き受けるということです。雨が降っても自分の責任なのです。そんなことを今回の全身性障害者ガイドヘルパー養成研修を通して考えました。


今回参加してくださった卒業生さんたち、そして先生方は皆、ポジティブに参加してくれて感謝します!


★参加してくれた卒業生さんたちの声


とても中身の濃い時間

1日でいろいろなことが学べて、とても中身の濃い時間が持てました。今までの職場で車椅子を押してきましたが、いざ自分が乗って押していただくと、健常者では分からなかったことがたくさん!これからの介護に役立てていきたいと思います。分かりやすく親切なご指導ありがとうございました。(小林さん)

 

街の人たちがとても優しかった

いちばん感じたことは、街の人たちがとても優しかったことです。エレベーターのボタンをずっと押してくれていたり、道に迷っていたら道案内をしてついてきてくれたり、本当に感謝しています。今まで気がつかなかった視点で観ることができる、とても良い機会になりました。(金子さん)

 

貴重な体験でした

とても貴重な体験でした。日ごろ、車いすを押している側なので、歩きスマホやたばこが怖かったり、ほしい商品に手が届かなかったり、車いすに乗らないと分からない体験ができて、今後、車いすを押すとき、より注意できると思いました。(武重さん)

 

基本から知ることがきた

車イスに乗ってみて、いろんなことが違って感じた。人込みの怖さ、薬局に入って、棚の商品(上の段)が全く見えないこと、親切な人やそうでない人、車いすを押すのも手だけではなく身体ごと使って段差を乗り切ること、坂路での下り方、基本から知ることがきたのでとても良かった。(奥田さん)

 

行きたいところへ行くことが誰もができる世の中に

とても充実した1日でした。私たちにとって当たり前の「行きたいところへ行く」ということが誰もができる世の中になってほしいと思います。そんなお手伝いを少しでも今後できたらと思います。ありがとうございました。(小林さん)

 

本日体験できて良かった

ボランティアや初任者研修でもこんなに長時間車いすに乗ったことがなかったです。車いすに優しい、障害者に優しい街なのか?というとまだまだ優しいとは言えないと思いました。公園での坂で滑って危うく2人とも倒れてしまいそうになり、怖かったです。本日体験できて良かったです。K.Tさん)

 

やりがいのある仕事

思っていたより車いすを押して移動することが大変でした。体力的にも精神的にも、とても疲れました。私がアルバイトをしているお店によく車いすを押してくる人がいるのですが、どういう仕事をしているのかずっと気になっていたのですが、きっとガイドヘルパーの仕事なんだと思いました。とても疲れましたが、やりがいのある仕事だと思います。まだまだできませんが、早く介護の仕事をしたいと思っています。(清水さん)

 

観る風景が違って見えました

車イスからの視線で観る風景が違って見えました。またサブバック、傘の先が車椅子に乗ったときに顔の位置にあり、気持ちがちょっと引きました。経験しなければ分からないことを体験したので、今後の仕事に役立てそうです。参加して本当に良かったと先生たちにも感謝しています。(法村さん)

 

素敵なお仕事だと思います

車イスに乗ってみて、気づいたことがたくさんありました。世の中はまだ障害をお持ちの方に対して不親切だなと思うことが多数ありました。ガイドヘルパーの仕事はとても大変だと思いますが、とても素敵なお仕事だと思います。世の中がもっと障害をお持ちの方に優しい社会に!!M.Kさん)

 

実技の内容は大変勉強になりました

今までの経験したことのないことでした。トラベルヘルパーの考え方に似ているかもしれません。実技の内容は大変勉強になりました。1日で修了が良くも、もう1日ぐらい実技をしてみたいという気持ちもあります。T.Cさん)

 

1日がとても早く感じました

1日がとても早く感じました。楽しくコミュニケーションが良くできて、大変だった車いすの大変な苦労は教室に戻ってきてすっかり吹き飛びました。このような素晴らしいお仕事はあると思ってもみなかったことなので、とても嬉しく、先生方にも感謝しております。A.Kさん)

 

学んだことを活かしていきたい

障害を持っておられる方で外に出て行ってみたいところ、社会参加したいと思っている方々のお世話をさせていただけたらと思っています。今回の研修で学んだことを活かしていきたいと思います。ありがとうございました。N.Hさん)

 

新しい発見がたくさんありました

すでに行っていましたが、新しい発見がたくさんありました。特に車いすに乗らせていただくことはないので、自分の身体の自由が利かない中で、この気分はどうだろうと改めて思いました。また準備の大切さもとても感じました。心地よい疲れをありがとうございました。Y.Oさん)

 

普段歩いているときとはまったく違いました

初めて一般道路に出て感じたことは、目線が下がり、脇を通る車が大きく恐ろしく思いました。点字ブロックも十字にある場所は車いすが通りづらく、普段歩いているときとはまったく違いました。長時間、車いすに座っているのは、振動が伝わってきて乗り心地は今一つなのが分かりました。(田村さん)

 

今までご迷惑をお掛けしていたのかもしれません

今まで車いすを押していたのが、とても乱暴に扱って、ご利用者様の方々にもご迷惑をお掛けしていたのかもしれません。今後、本日の研修を生かせればと思います。障害者の方のお世話もできればと思いました。R.Tさん)

 

自分の視野が広がった

普段の目線と違い、街に出てみたり、電車に乗降する体験をして、車がでかかったり、少しの段差で車椅子が揺れ、とても怖いと思うことがたくさんありました。利用者さんと同じ目線を体験できたことにより、自分の視野が広がり、利用者さんに恐怖を与えず、外出を楽しめるように支援できるようにしていく必要性を学べた。S.Mさん)

 

笑顔でお仕事を続けていきたい

車イスに乗っていて、押してくれている人の言動がとても気になると思った。押す人の息遣い、不安、言葉など。知識、情報、経験、愛情、思いやり、いっぱい身に付けて、笑顔でお仕事(知的障害デイ)を続けていきたいと思いました。I.Hさん)

 

感謝で一杯です

本当にありがとうございました。高齢者が高齢者を支える地域の現状において、この経験をいただけたことは私にとって大変有意義なことでした。少しでも役に立てるように先を目指して頑張ります。感謝で一杯です。T.Yさん)

 

介護者としての責任の重さも知ることができた

車イスに実際乗ってみて、不安に思うことや不便なことがたくさんあることに気づいた。反対に車いすを押す介護者としての責任の重さも知ることができた。障害者の方たちも有意義で楽しい時間を過ごせるために、ガイドヘルパーとして少しでも役に立てればいいなと思いました。素敵な経験をありがとうございました。(齋藤さん)

 

誇りと希望が持てます

本当に実際に車いすに乗って危険や不便さをたくさん感じました。いかに健常者優先の環境になっているか、身に沁みました。商品が目に飛び込んでくるようなダイナミックな視線や大きな溝より分かりづらい穴とかの方が危険なこと、いろいろ思いましたが、結局それでも外出したいと思うのがいちばんの感想だったので、この仕事は誇りと希望が持てます。(座間さん)

 

車いすの目線や視点を知ったことが大きい

普段できない体験をすることができ、貴重な時間となりました。特に車いすの目線や視点を知ったことが大きいです。反面、町田周辺のバリアフリーが準備途上にあることも実感しました。また通りすがりの人であっても、手伝いがあれば、バリアをなくすことができることも実感として知ることができました。T.Yさん)

 

電車に乗り込むときは緊張しました

外へ出て実際にガイドヘルパー役、利用者役の両方が経験できて、とても楽しく勉強できました。電車に乗り込むときは緊張しました。T.Nさん)

 

ガイドヘルパーのお仕事をやってみたい

車イスの人の気持ちが分かって良かったです。ガイドヘルパーのお仕事をやってみたいと思います。本当にありがとうございました。また何らかの研修がありましたらお願いします。(田代さん)

 

楽に乗せることができる方法を教えてくださった

最初は不安でしたが、電車も小野寺先生が力を入れないで楽に乗せることができる方法を教えてくださったので、実践しました。ペアの方にとても上手と言われました。ありがとうございました。ボディメカニクスを久しぶりにできました。(臼井さん)

 

いろいろと知ることができた

実際に車いすに乗って移動したときに、今まできにしなかった路面の凸凹や、上り下りの坂道が良く分かった。また、お店や店員さんは車いすに対して優しかったが、街中を歩いている人は車いすを気にしない人もいて、危ない場面もあった。いろいろと知ることができて良かったです。(播さん)

 

力になりたい

普段の生活では感じない怖さや視点の違い、ひとりではできることが少なく、助けてもらいたいと思っていても、声が掛けられない方は大変だと感じました。だからこそ、周りの人が協力、助けていただけることの嬉しさも感じました。自分の周りでそういう方がいたときに、力になりたいと思いました。Y.Iさん)

 

押しているだけでは気づかなかったことがたくさんありました

実際に車いすに乗ってみると、押しているだけでは気づかなかったことがたくさんありました。色々怖いことはありましたが、中でも介助者が不安だと乗っている方はもっと不安だという点は特に気をつけて移動支援に臨みたいと思います。(岡本さん)