バリアフリーなグルメスポット

「このあたりで美味しいランチを食べられるお店ってありますか?」と生徒さんに聞かれることがあります。私自身は全くグルメな人ではないのですが、せっかくこうして町田に学校があるのだから、近くにある美味しいお店ぐらいは知っておくべきだし、そうすれば生徒さんからの質問にも戸惑うことなく答えることができると思い、グルメスポットめぐりを始めることにしました。とはいえ、ただのグルメスポットでは面白くないので、湘南ケアカレッジらしく、「バリアフリーなグルメスポット」というテーマに沿って、町田周辺にあるいくつかのお店を紹介していければと思います。


「バリアフリーなグルメスポット」とは、料理が美味しいだけではなく、バリアフリーでもあることが条件です。両方を満たして初めてバリアフリーなグルメスポットであり、どちらかが欠けていてはなりません。そういう条件で、毎日違うお店に足を運んでみたのですが、案外この条件を満たしているのは難しいことが分かりました。料理はとても美味しいのですが、どう考えても入口の段差が高すぎる、店内が狭くて車いすが入るだけのスペースがないなど。また逆に、入口はフラットで広く、店内にも十分なスペースがあるけれど、料理があまり私の好みではない、インパクトが足りないなど。

 

そもそも、バリアフリーとは何でしょうか?

 

バリアフリーについて語る前に、まずはノーマライゼーションという概念から書き始めなければなりません。ノーマライゼーションとは、デンマークのバンク・ミケルセンによって唱えられた、障害があっても誰でも参加し、普通に暮らせる社会を目指すという概念です。最近は、障害者だけではなく、子どもや高齢者、妊婦や怪我や病気をしている人など、誰でも社会的に弱い立場になりうるという考え方に立って、その上でその人らしい安定した暮らしができるように支え、尊敬し合える社会をつくろうとするところまで発想が広がってきています。

 

ノーマライゼーションを実現していこうとする中で生まれてきたひとつが、バリアフリーという、バリア(障壁)をフリー(なくす)にしていこうとする考え方です。最初は建物の段差などの物理的な障壁を意味していたのですが、今は社会的、制度的、心理的なバリアーも含まれるようになりました。物理的なバリアーは分かりやすいのですが、それ以外にも特に心理的なバリアーをなくすことは大切だと思います。たとえば飲食店でも、お店が地下にあって急な階段を下りないと入れないとしても、お店の人が手を貸すことによって物理的なバリアーをなくすこともできますよね。

 

これから紹介させていただく「バリアフリーなグルメスポット」には、さすがに心のバリアフリーの部分までは触れられていません。でもいくつかのお店では、お店の入り口に多少の段差はあっても、このお店の方々ならば手を貸してでも受け入れてくれるだろうという主観的な判断も多少なりとも加えさせていただきました。美味しいかどうかという味については完全に私の独断ですし、紹介させていただいていないお店が美味しくないまたはバリアフリーではないということでもありません。あくまでも1つの企画として暖かく見守りください。これから来てくれる生徒さんのためだけではなく、現在、湘南ケアカレッジに通ってくださっている生徒さんたち、そして教室に遊びにきてくれた卒業生さんたちが立ち寄ってくれる場所になれば幸いです。