大変とは大きく変わること

最近、卒業生がふらっと遊びに来てくれたり、道でばったりと会ったり、突然電話をしてきてくれたりします。ほとんどは、今仕事が楽しいです、頑張っていますという報告であることが多いのですが、もちろん中には、今こんなことで困っています、忙しくて大変ですという相談の内容もあります。話を聞くことぐらいはできますし、私にできる範囲でのアドバイスもさせてもらっていますが、どこまでお役に立てているのか分かりません。そうしてお話を聞いていると、とある先生がおっしゃっていた「大変とは大きく変わること」という言葉が浮かび、お伝えしたくなるのです。


世の中にはいろいろな仕事があります。とても楽な仕事やとても大変な仕事、比較的楽な仕事から比較的大変な仕事まで。楽や大変にも種類がありますので、簡単に区分けはできませんが、つまりいろいろな仕事があるのです。そういった状況で働く中で、ひとつだけ言えるとすれば、大変であることは大きく変われるチャンスでもあるということ。これは介護の仕事だけではなく、どんな仕事にも共通しています。大変な時期にこそ、良くも悪くも、鍛えられて成長していることが多いのです(そのとき本人はそうは思えないのですが…)。

 

あれこれ仕事を押し付けられ、それを何とかこなそうとして頑張っているうちに、いつの間にか以前よりも上手くできるようになっていたりします。失敗して落ち込むときもあるでしょうし、もうちょっと余裕がほしいと思うこともあると思います。なんで私だけと思うことも、こんなに一生懸命にやっているのに誰も認めてくれないと落胆することもあるかもしれません。私にはもうできないとあきらめてしまいそうになる日もあるでしょう。それでも、そういうときこそ、どうすれば困難を乗り切れるだろうと考え、いつか晴れる日がくるはずと信じて頑張ってみてください。

 

もしこの仕事を続けて、この道を歩んで行くとするならば、自分を成長させていくことが何よりも大切なことであり、重要な鍵になります。自分に力をつけてことで、必ずや道は開けますし、他の人々を助けることもできますし、その世界や状況を変えることもできます。だからこそ、大変さはある時期には必要なのです。楽であることは、成長ができない、大きく変わることができないとほぼ同義でもあるのです。これは決して無理をしてでも我慢すべきと言っているのではなく、大変なことや状況を自らの成長に変えていこうと考えることが、明るい未来のためには大切だということです。

 

あれこれ言ってきて最後にひっくり返すようですが、仕事は大変なものだと考えるのはやめましょう。仕事は大変、大変だから仕事なんだと考えると、その通りになります。そうではなく、仕事は本来楽しいものであるべきです。楽しくなければ、それは身体に負担が掛かっていたり、自分に合っていなかったり、人間関係が上手く行っていなかったりというサインです。仕事は楽しいと思えるのが理想です。そういう理想に少しずつでも近づけていく過程の中で、大変なこともたくさんあるでしょう。そんなときには、大変とは大きく変わることだと考えるべきなのです。