7月の終わりにかけて、振り替えの関係で修了が延びてしまっていた何名かの生徒さんたちが続々と卒業しました。彼ら彼女らは主に昨年の12月生であり、受講期間ぎりぎりでの修了となりました。途中もう間に合わないのではないかと思ったことはありましたが、本人たちがあきらめることなく通ってくれたおかげで、なんとか最後までたどり着いたのです。本人たちは「長い間お世話になりました」と言って卒業されますが、私たちも「最後まで頑張ってくれてありがとうございます」と言って送り出します。
湘南ケアカレッジの「介護職員初任者研修」の受講期間は8か月です。短期クラスですと3週間、週1クラスでも3か月半で修了になりますので、ほとんどの生徒さんは8か月も掛かることはありません。ではなぜ8か月かというと、それ以上経ってしまうと、受講の意志がないと見なされてしまうという意味です。もちろん、病気等の理由での受講期間の延長は認められますので、あくまでも研修を修了する意思が本人にあるかどうかのモノサシとしての8か月です。とはいえ、お仕事の都合や周りの環境の変化によって、なかなか思っていた通りに参加できなくなってしまう生徒さんも中にはいらっしゃいます。
Sさんは途中から教室に来られなくなってしまいました。最初は仕事が忙しくて、本来は休める予定が休めなくなってしまったとのことでしたが、そのうち振り替えをして来るとおっしゃっていた日も来なくなりました。前日に電話をいただき、「明日行きます」と言っていたのに、当日姿を現さないということは1度や2度ではありませんでした。彼はのちに「頑張って行かなければと思うと、かえって行けなくなる」と告白してくれました。それほどに仕事や周りの環境で肉体と精神を消耗していたのだと思います。私はそのときから何となく察していましたし、彼が電話をくれる感じから行きたいという気持ちは伝わってきましたので、毎回「お待ちしております」と言いながらも、来られるようになったらでいいと思うようにしました。
そんな彼がラストスパートをかけて教室に来て、楽しそうに授業に参加してくれて、最後の修了試験でも素晴らしい成績を収めて修了してくれたときは実に感慨深かったです。そして、改めて思うのは、「介護職員初任者研修」において最も大切なのは、15日間の研修を通い切るというということ。特に、受講期間があまりに長期にわたってしまうと、参加するモチベーションが下がり、挫折してしまいがちです。通信添削課題や実技のテストや修了試験はいくらでもサポートできますが、教室に来てくれなければ何も始まりません。
私たちにできることと言えば、最後まであきらめずに通おうと思ってくれている生徒さんを、最後まであきらめずに待ち続けることぐらい。苦労して最後まで通ってくれた生徒さんだけではなく、どの生徒さんたちに対しても、「最後まで通ってくれてありがとう」と思うのは、私たちの本当の気持ちなのです。
Sさんが修了試験の最後の余白に書いてくれたメッセージです。その気持ちがとても嬉しかったです。こちらこそありがとう!