湘南ケアカレッジの生徒さんのひとりが、自ら企画し、運営している「みらいちず」に参加してきました。「みらいちず」はコミュニティ再生の一環として、お寺の壁に30年後のまちを描こうというプロジェクトです。子どもから大人まで、高齢の方も、障害のある方も、誰もが参加でき、誰もが自分の思い描く地域の未来地図をつくりあげる。その企画の面白さと、地域コミュニティの再生という主旨にも共感し、絵心の全くない私も思い切って参加させてもらいました。
最終日だったこともあり、私がお寺(祥雲寺)を訪れたときには、壁一面に様々な建物や人、動物、木、川などが描かれていました。私が想像していたよりも大きな壁に描かれている様は、まるで昔の屏風絵のよう。子どもたちが描いた動物園のキリンは可愛らしく、桜が綺麗に咲き誇っていたり、未来の町田周辺は夢の中のようです。
私も絵の具と持参した筆を片手に、早速「みらいちず」を描き始めました。ぜひ湘南ケアカレッジもと提案していただき、未来の湘南ケアカレッジを描かせてもらいました。今の湘南ケアカレッジがある場所は壁の地図にありませんでしたので、さらに駅の近くに移転したという設定で、駅前に湘南ケアカレッジビルを建てました。
上の写真に見える、オレンジの円柱状の建物です。3階建ての1階が事務局で、2階で介護職員初任者研修、3階では実務者研修が行なわれているのでしょうか。30年後にはずいぶんと立派な学校になっているんですね。ひとり1人の生徒さんに貢献したいので、規模を大きくしたり、自社ビルを建てたりという気持ちはさらさらありませんので、もしかしたらタダで貸してくれる人でも現れたのかもしれません(笑)。
話を戻しますと、私が「みらいちず」を主宰した生徒さんに共感したのは、地域のコミュニティを再生、活性化していくという考え方です。私は介護や福祉と地域コミュニティは密接につながっていて、切っても切り離せないものと考えています。だからこそ、コミュニティデザインについて勉強したこともありますし、子どもから大人まで、高齢の方も、障害のある方も、誰もが共に支え合って生きる社会が必要だと思っています。理想ではなく必要だということです。そして、そのためには誰かがある程度は手を入れつつ、コミュニティづくりの仕組みを作っていかなければなりません。
湘南ケアカレッジとして、地域のコミュニティにどうやって貢献できるだろうと考えたこともあります。介護のイベントを開催したり、介護の職場と湘南ケアカレッジの卒業生を結び付けたり、ボランティアとして地域に関わったりと、思いつくところはたくさんあります。それはそれで意味があることは確かです。それでも、最後に思い至ったのは、最高の福祉教育をひとりでも多くの方々に届けることこそが、湘南ケアカレッジとして地域にできる最大の貢献だということです。まずは自分たちが行なっていることを見つめ直し、自分たちのできることをさらに高めていきたいと思います。
「みらいちず」の公開展示は12月20日(金)~22日(日)の間で行なわれています。どんな壁画が出来上がっているのか、未来の湘南ケアカレッジをご覧になりたい方は、町田市高ヶ坂の祥雲寺にお立ち寄りください。また、すぐ近くにある「梅花の郷」は陽当たりがよく、コーヒーも飲めますので、くつろぐには最適の場所ですよ。