つながってゆく

先日、修了試験が終わった生徒さんから、いきなりこんな告白をされました。「実は私の姉が5月クラスに通っていて、だから私も6月に来ました。最後に話そうと思って黙っていました」と。今流行りでいうと「じぇじぇ!」、私の目が点になったのは言うまでもなく、しばらく私の覚えている限りの情報を駆使して、その生徒さんのお姉さまを頭の中で探しましたが、どうしても思い当たりません。「えっ~…、分かりません。どなたですか?」と聞いたところ、「○○です」と教えてくれました。なぜ私が分からなかったかというと、お姉さまは結婚されて苗字が変わっていたからです。そう言われてみて、お2人の顔を脳裏で重ねてみると…、そう言われてみれば似ているかも!

 

嬉しかったのは、お姉さまから聞いたからということだけではなく、その2人が姉妹としてつながったからです。上手く表現できませんが、それまでは点と点であったものが、線としてつながったという感覚でしょうか。関係性が見えると、その生徒さんの背景が垣間見えたように感じられます。たった15日間の研修であり、入学したと思ったらすぐに卒業してゆく一期一会の関係かもしれませんが、それでも湘南ケアカレッジに通ったことを人生のひとコマとして覚えておいていただきたいですし、私たちもまたそのクラスのこと、ひとり1人の生徒さんたちのことを記憶しておきたいのです。

 

最近、問い合わせでも、いわゆる口コミが少しずつ増えてきている気がします。今年の4月から始まった湘南ケアカレッジの「介護職員初任者研修」ですが、卒業生がそれぞれ新しい生活に戻る中で、家族や友人・知人に湘南ケアカレッジのことを話してくれているのだと思います。良かったと聞いて見学に来られた方やすぐに電話を掛けてくれた方もいましたし、お子さまにもぜひ受けさせたく勧めているという方もいました。そういうときには、「誰から湘南ケアカレッジのことを聞かれたのですか?」と聞くことにしています。そう、あの人とこの人がつながって、関係性が見えることが、私たちのやりがいにもつながるからです。

 

私たちの考える口コミとは、こんな自然なものです。私がかつて携わっていた学習塾では、友人紹介キャンペーンとして、講師から生徒に紹介用の封筒を渡し、紹介してくれたら、紹介してくれた生徒と入ってくれた生徒に図書カードや商品を渡すなんてことをやっていました。子どもはお金やモノ欲しさに紹介封筒を渡します。塾の業界における生徒集めがそれだけ厳しい状況だということでもあるのですが、それは本当の口コミではないと思います。口コミとねずみ講の違いは、それが自然発生的か仕向けられたものかにあるのです。

 

ですので、湘南ケアカレッジは友人割り引きがありません。これ以上、受講料を下げることができないという理由もあるのですが、安くなるからではなく、湘南ケアカレッジに通って心から良かったと思うから紹介する。自分が素敵な体験ができたから、家族や友人・知人にも教えたい、分けてあげたい。そんな気持ちで湘南ケアカレッジの介護職員初任者研修の輪が広がってゆくことを願います。そして、そういう学校でありたい、あり続けたいと思います。