腰痛予防体操

かなり遅くなってしまいましたが、おかげさまで、5月短期Bクラスもほぼ満員御礼でスタートすることができました。5月短期Aクラスが終わったと思ったら、ほっと息をつく間もなくすぐに次のBクラスですから、先生方も大変だったと思います。初日の終了時間が少し延びてしまうというアクシデントを乗り越え(笑)、本日11日目に大盛り上がりで突入しました。今日は授業の終了時間に私が居合わせることができず、生徒さんとは帰り道で挨拶をして別れました。笑顔で帰っている生徒さんたちを見て、とても嬉しい気持ちになりました。

 

さて、上の写真は、4日目の「医療と福祉の連携、リハビリテーション」の科目の1コマです。よーく見てみてください。生徒さんたちが総立ちで、片足で立っているので驚かれたかもしれませんが、決してフラミンゴ教の集会ではありません。

 

これは腰痛予防体操の中のひとつ。腰痛にならないための、理学療法士の土井垣先生による直々の体操指導です。4日目あたりまでは、座学の授業が中心となりますので、合間にこうして身体を動かして、ひと息ついていただく工夫をしています。とはいえ、身体の構造を踏まえた上での体操ですので、とても説得力があります。たとえば昔は筋や(アキレス)腱などを伸ばすとき、グッグッと一定のリズムで負荷を掛けていましたが、あれは良くないそうです。今はジワーっとゆっくり負荷を掛けて伸ばしていくのが正しいとされているそうです。さっそく私も自宅でストレッチをするときにはジワーっと伸ばすようにしています。

 

ちなみに、腰痛とは疾患(病気)の名称ではなく、腰部を主とした痛みや張りなどの不快感の総称のことです。医師の診察や検査で原因が特定できるものを「特異的腰痛」。できないものを「非特異的腰痛」と言います。ほとんどの腰痛(85%)は、後者の原因が特定できない「非特異的腰痛」です。

 

原因が分かりにくいことも含めて、介護に携わる人たちにとって腰痛予防はとても大切な課題です。先日、訪問介護事業所の方とお話しをする機会がありましたが、とても大柄な利用者様がいらっしゃって、その方の御宅に入るヘルパーが代わりばんこに腰を痛めているという、笑えないような話を笑ってしてくれました。湘南ケアカレッジは、ボディメカニクスを中心とした腰痛にならない介護技術(持ち上げない介護技術)を提供していますが、それだけでは完全ではありません。

 

腰痛予防のための3管理というものがあり、「作業環境管理」、「作業管理」、「健康管理」の3つです。「作業環境管理」とは温度、証明、作業空間、設備の配慮など、環境を整えることで腰痛を予防すること。「作業管理」は自動化や省略化、作業姿勢や動作、休憩、作業着、腰部保護ベルトなど、実際の作業における管理。ボディメカニクスを活用した腰痛予防は、「作業管理」のひとつである「作業姿勢・動作」の管理にあたります。そして、腰痛予防体操は、最後の「健康管理」にあたります。「健康管理」には他に健康診断があります。これら3つの管理を意識して実行することで、腰痛を予防することが可能になるのです。